倉庫・工場の目的などに合わせて、適切な工法を選びましょう

ひと口に「倉庫」「工場」と言っても、建築に用いる工法が異なればその機能・特徴も変わります。目的や環境にマッチした倉庫・工場を建てるには、工法ごとの性質をしっかりと理解しておく必要があるでしょう。

こちらでは、代表的な3種類の工法「テント」「プレハブ工法」「システム建築」について、その工法の特徴やメリット・デメリットをご紹介します。

  • テント
  • プレハブ工法
  • システム建築

シンプルで手軽!テント倉庫

テント倉庫とは、その名の通りテントを使用した倉庫のこと。骨組みに合わせてシートを張るシンプルな工法です。

※テントでは工場は作れません

メリット
  • シンプルな造りなので短工期&低コスト
  • 骨組みをある程度自由に組めるので、三角形やひし形などの敷地でも建てられる
  • 明るい色の生地を使えば、晴れた日の日中は照明がいらないほどの明るさ
  • 冬場でも晴れていれば温室効果で温かい
  • 役所による建築確認申請の認定が早い
デメリット
  • 紫外線に弱く、劣化しやすい(寿命6~10年)
  • 劣化するほど強風に弱くなる
  • 夏は極めて暑くなる

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組み立て式で低コスト・短工期!プレハブ工法

「プレハブ」とは、工場で柱や梁、床、壁パネルといったパーツを生産・加工し、建築現場で組み立てる工法のこと。プレハブで造る「プレハブ倉庫」「プレハブ工場」には、次のようなメリット・デメリットがあります。

メリット
  • あらかじめ生産しておいた建物のパーツを組み立てるので短工期
  • パーツは大量生産してストックしておけるので、低コスト
  • 強度が高く、長持ち(寿命20年ほど)
  • テントより用途の幅が広い(店舗・事務所・工場など)
デメリット
  • 規格に合わせて建てるため、形状の自由度が低い
  • 小規模な倉庫・工場でも柱が設置され、邪魔になってしまうことがある

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プレハブ工法に柔軟性をプラス!システム建築

システム建築とは、設計と生産をシステム化した工法です。「こんな倉庫・工場を建てたい」という要望に応じて、コンピューターが可能な限り自動で見積もりや設計、生産などを行います。

メリット
  • 「何に使用するか」「どんな間取りにするか」といったニーズに合わせて迅速に見積もることができる
  • CADを利用し正確に素早く設計可能
  • ライン生産システムによる高品質を実現
  • 設計と生産を徹底的に合理化・システム化しているので低コスト
  • 約30年と長寿命
  • 耐震性が高い
デメリット
  • デザイン面(外観)はあまり自由がきかない

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PICK UP 極めて柔軟ながら高額な在来工法

在来工法は、一般住宅や旅館、神社などで広く利用されている、日本の伝統的な建築工法です。いくつかの柱を垂直に立てて、柱と柱を梁でつなぐ「軸組(線材)」で建物全体を支えます。材料の選択の幅が広く、造りやデザインなどの自由度も高い点がメリットです。

しかし自由度の高さは、「必要以上のこだわり」や「無駄な工程」を生み出す原因でもあります。設計に時間と費用がかかるため、機能性・経済性を最優先すべき倉庫とはあまり相性がよくありません。図面ができてからでないと費用を見積もれないという点も不便です。

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